2010年02月12日

映画鑑賞記「おとうと」V

  この映画の主人公は姉の吟子と弟の鉄郎ですが、娘の小春の身辺も描かれます。この映画はその小春の結婚式から始まるのですが、相手の新郎の鉄郎を見る態度でだいたいどのような人物かは判断できます。案の定娘は里帰りしたまま離婚になります。近所の知り合いは近くに良い人がいないかぁとやたら小春を気にしています。しかし小春にも問題があるといえます。恋愛時代に彼のそのような態度や性格を見抜けなかったと思うのです。結婚です、恋愛とは違うはずです、明らかに軽率だったと思われても仕方ありません。あっけない離婚です。我慢とかもっと努力するとかはそこには存在しませんでした。別にそれが悪いとかは言いませんが、大人同士です相手の心まで変えるとは大変な労力が必要なのでしょう。
  吟子も鉄郎から聞かれます。義兄が死んでから好きな人はいなかったのかとしつこく質問されます。吟子はいないと答えますが、とても興味深い質問でした。吟子は一体どう思ってあの長い時間を過ごしたのであろうか。あの器量です、言い寄った男性もいたはずですが、吟子ははぐらかします。というか本当にいなかったのかも知れません。
  映画はその人生の断片をかいま見せてくれます。このあたりは山田監督ならではの見せ場だと思います。何気ないシーンに人生の奥行きを見せてくれます。
  鉄郎の借金で大阪から姉を訪ねて来たシーンも吟子の性格がよく表れています。普通ならもっと疑い、相手もその何割でも良いと言っているのだからそうすると思うのですが、彼女は瞬く間にその全額を降ろして渡します。彼女の生きてきた決意とか覚悟が見受けられます。それが鉄郎との違いでもあり、吟子の意地かも知れません。
                     続く
posted by ヒロシ・マックイーン at 08:03| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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